馴染みがあるようでないヒンドゥー教について学ぼう 我々に馴染みが深い仏教の教えは、その大部分が古代インドの思想がバックボーンにあります。 輪廻転生とか諸行無常とか縁起とか、すべてインド人の発明です。 しかし、いまインドの宗教のマジョリティであるヒンドゥー教は、シヴァ神とかパールヴァティとかガネーシャとか、我々とは全く異質の世界です。 今回は、古代インドの思想の発展とヒンドゥー教の成り立ちについて見ていきたいと思います。 1. ヴェーダの宗教の成立 紀元前1500年ごろ、北半球の寒冷化と大規模な乾燥化により、イラン北東部に住んでいたアーリア人がヒンズークシュ山脈を超えてインドに大移動しました。 インダス河流域には、衰退したものの健在のインダス文明が存在し、アーリア人はインダス文明の担い手であった先住民と戦って土地から追い出したり、支配に組み込んでいきます。 北インドの新たな支配者となったアー