前原誠司の「直球勝負」(21) 〜 壊れかかった街を救え! 夕張を訪れて考えたこと 〜 12月21日、私は北海道空知支庁の夕張市を訪れた。札幌から高速に乗って約1時間半。例年よりは少ないとは言え、夕張は雪に包まれていた。夕張は私にとって、特別な街である。訪れるのは初めてだが、蒸気機関車ファンにとってはかけがえのない場所なのだ。昭和50年12月24日、日本で最後の蒸気機関車牽引列車は夕張から追分に向けての石炭列車だった。一つの時代が終わったと、感じた瞬間だった。あれからもう、約31年が経つ。 石炭で栄えた夕張も、すべての炭鉱が閉山になり、今、日本で唯一つの財政再建団体としてもがき苦しんでいる。ピーク時には10万人以上あった人口も、現在では約1万3千人。約40パーセントが65歳以上の人口で占められる、日本において最も高齢化の進んだ自治体の一つだ。炭鉱で栄えた地域だけあって、9割が山間部で占め