1月14日に行われたコンピューター将棋ソフトのボンクラーズと米長永世棋聖の対局は、米長氏の敗北という結果に終わった。 米長氏は2003年に現役を引退しているものの、元トップ棋士である(タイトル獲得19期(歴代5位))。また、非公式戦とはいえ、近年の対局でも現役プロ棋士に一勝一敗(注)の成績を残しており、下位のプロ程度の実力は維持していると思われる。その米長氏にボンクラーズは完勝したわけだから、将棋ソフトの実力は、少なくても下位から中位のプロ棋士に匹敵するレベルには到達したと言って良いだろう。 しかし、一部で騒がれているように「羽生善治二冠や渡辺明竜王といった現役のトッププロを追い越すのも時間の問題」とまで言い切れるのだろうか。私はそう簡単にはいかないと考えている。以下で述べるとおり、追いつくための方法には、一流プロ(平均的なプロ)向けと超一流プロ(トッププロ)向けとの間に非連続的な差が存在