「蘭字」(らんじ)と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。 蘭の花で描いた華麗な文字?それともオランダ(和蘭)関連の何か?はたまた織田信長が所望した正倉院宝物「蘭奢待」に由来するものでしょうか。 「蘭字」の正体を知りたく『広辞苑』や『漢字源』を開いても該当する言葉は掲載されていません。 このように現代では知名度の極端に低い「蘭字」ですが、明治から昭和初期にかけ海外(特にアメリカ)の人々を虜にしたのもこの「蘭字」でした。 さてそろそろ正体を明かすことにしましょう。「蘭字」とは輸出用茶箱(日本茶)に貼られたラベル類の総称です。 「輸出用茶箱」個人蔵 お茶の種類、ブランド、産地、輸出商社、販売店などを主にアルファベットで表記して絵を入れ、茶箱の顔である側面に貼られたほぼ方形のラベルが「蘭字」です。 パリの街中を彩ったトゥールーズ=ロートレックやアルフォンス・ミュシャが描いたポスターは毎年
![「蘭字」~日本近代グラフィックデザインの源流~](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a47bebf77d8ae28755d4cbb97e1ce0f8fca8bb32/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fima.xgoo.jp%2Fcolumn%2Fimg2%2Ftak%2Fs-ranjitop.jpg)