10年前、ウォーレン・バフェット氏とジャック・ウェルチ氏は世界で最も称賛される実業家に数えられていた。一方、新興市場はリスクの高い賭けで、慎重な投資家が回避すべき市場と見られていた。 しかし今、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場は、バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの方がベトナムよりデフォルト(債務不履行)の可能性が高いことを示している。 ウェルチ氏がかつてCEO(最高経営責任者)を務めたゼネラル・エレクトリック(GE)の金融子会社、GEキャピタルの信用リスクはロシアよりも高く、3月12日にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同社の格付けを引き下げた――GEとその子会社がトリプルA格を失ったのは五十数年ぶりのことだ。 こうした対比は、社債市場の悲しい現状を浮き彫りにしている。年明けの相場上昇は、スプレッド(無リスク金利を上回る社債利回りの超過分)