こんにちは、柴藤亮介です。 前回に引き続き、特集『世界天文年記念 〜天(そら)を愛した人たち〜』をお送りいたします。第2回は、当時の常識であった「惑星は円軌道を描きながら太陽の周りを運動している」という理論を覆すアイデアを出した天文学者、ヨハネス・ケプラー(1571年〜1630年)に注目します。 ◇始まりは、天体観測 ケプラーという天文学者を聞いたことはありますか?ケプラーは前回紹介した「ガリレオ」や次号で紹介する「ニュートン」のように知名度は高くありませんが、天文学の歴史を語るには欠かすことのできない人物です。ケプラーはどのような人生を歩み、そして、どのような発見をしたのでしょうか。 ケプラーは幼い頃から両親と共に天体観測を行っていました。6歳の頃に母と彗星を、9歳の頃に父と月食を観察したと言われています。当時は現在のような高性能の望遠鏡もなく肉眼での観測ではありましたが