私は去年の4月から慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)に新設されたグローバル法務専攻(LL.M.)で客員教授として知財の科目を担当している。慶應とワシントン大学(UW)の間でダブルディグリーLL.M.プログラムが設立されたため、両大学のジョイントアポイントメントで前期は東京で、冬学期(1月から3月)はシアトルで教えている。ワシントン大学で教える講義は全て冬学期に集中させたので、秋学期はミュンヘン工科大学(MTU)のMBAプログラムでババリア州の客員教授として工学部やビジネススクールの学生に知財マネージメントを教えている。これに加え、リヨンやストラスブール大学で集中講義を行っているので、私の講義をとる学生は学部生、大学院生、法律を専攻する者しない者とさまざまである。共通することは全て英語で教えていることである。 私が特許法の研究者になったのは偶然が重なった結果である。きっかけは、成蹊大