オリンピックがはじまる少し前、開幕の是非を討論するテレビ番組を見た。そこで出演者の有森裕子さんが、「アスリートファーストではなく、社会ファーストで考えるべき」という主旨の発言をしていて、深く心に残った。 討論番組の放送時よりもさらに事態は悪化しているが、パラリンピックも開幕している。開幕直前、国際パラリンピック委員会の人が、「《パラリンピックの中》と《外の社会》はまったく関係がない」と言っていて、心底驚いた。 夏の甲子園も新型コロナウイルスの感染が相次ぎ、辞退する高校も出る中、大会は強行された。 「スポーツ」だけがパラレルワールドにある状態が続いているが、この感じは、どこか身に覚えがあった。「社会の中のスポーツ」は私の中でずっと、パラレルワールドだった。その世界は「スポクラ」という名前だった。 なにもかもが異色の「スポーツクラス」 私の通っていた高校は、全国屈指のスポーツ強豪校として知られ