朗らかに胸張る人間の大地 美しき 心の旅路の 此(こ)の世かな 世界は美しい。それぞれに美しい。 地球上に、一つとして同じ街はありません。その街ならではの歴史があり、文化がある。愛すべき人間が暮らし、学ぶべき営みがあります。 わが街の隣人たちと仲良く手を携(たずさ)えていくとともに、遠く離れた街々の人々とも心を通わせ、励まし合いながら、共々に前進する。この人間の絆の広がりにこそ、人類が願ってきた「平和」の一つの実像があるといってもよいでしょう。 私の少年期は、残酷な戦争によって、人間の絆がずたずたに引き裂かれた時代でした。 真実を語る正義の人は「非国民」と罵(ののし)られ、文化の恩義があるアジアの人々を見下し、ひとたび敵国となった米英の人々のことは「鬼畜」とまで憎むように仕向けられていたのです。 戦後まもなく、19歳の私は、軍国主義と戦って2年間の投獄をも耐え抜いた信念の指導者・戸田城聖先