■ いきなり「あんたはおれのライバルだ!」って言われて(笑) ――二人のお付き合いは、どれくらいになるんですか? 水上: もう10年以上経ちますね。石黒さんの『それでも町は廻っている』と『惑星のさみだれ』はほぼ同時期に始まったんですけど、 その後すぐにアワーズが中綴じから平綴じに変わって、その記念パーティーが2月か3月頃にあって……。 石黒: そうそう、新年会でもない半端な時期のパーティーで、水上さんとはそこで初めてお会いしたんです。 でも挨拶したら、いきなり「あんたはおれのライバルだ!」って言われて(笑)。 水上: 『ヒーロー』(※少年画報社「Present for me ~石黒 正数 短編集~」収録)って石黒さんのデビュー作なんですけど、おれはあれを読んで読み切りの描き方が分かった気がしたんですよ。『ヒーロー』は「敵を全部やっつけた後、ヒーローはどうなるの?」というテーマの作品なんです