認知症の方の「頭の中」 想像してみてください。あなたは、たった一人で初めての海外旅行をしています。その国の言葉は一切わからず、地図もありません。それなのに、あなたは迷子になってしまいました。周りには知らない言葉を話す、見たこともない人ばかり。 「どうしたらいいんだ、これからどうなるんだろう?」 「ああ、情けない。一人じゃ何もできない」 「お願い、誰か私に気づいて! 話を聞いて!」 まさにこれが、認知症の方の思いです。特に認知症の初期では、ご自身の異変を自覚している方も多いといわれています。今まではラクラクできていたことができなくなり、誰かの手助けが必要となった現実を、「情けない」と嘆くのも当然です。 認知症の方は、病人であると同時に一人の大人でもあります。サポートしてくれる家族に対して「迷惑をかけて申し訳ない」、そして「何か役に立ちたい」と思っているのです。 記憶障害や見当識障害など、さま
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