岸田文雄首相に対する爆発物襲撃事件から22日で1週間。威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された無職木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=は黙秘を続けているとされ動機は不明だが、一部の自民党国会議員らからは、「犯人の動機を報じるな」との声が上がる。テロ肯定や、模倣犯につながるからだという。ただ、どのような背景から動機が生まれ、犯行に至ったかは重要な問題だし、その報道を権力側が統制するのはおかしい。「動機を報じるな」の理屈を検証する。(大杉はるか、中山岳)
政府が2013年6月にまとめた「日本再興戦略」を巡り、1人当たりの名目国民総所得(GNI)を「10年後に150万円以上増やす」とした目標の達成が困難となった。目標額の半分しか届かない見通しで、生産性や賃金が上がらない日本経済の停滞を示す。岸田政権は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の教訓を生かし、低成長から抜け出す道筋を描けるかが問われている。(近藤統義) 国民総所得(GNI) 「国内」で生み出された付加価値に着目したGDPに、「国民」という概念を用いて個人や企業が海外から受け取った利子や配当を加えた統計。これを人口で割ったのが1人当たりGNI。企業の所得も含むため、家計の収入そのものを意味するわけではない。日本企業のグローバル化が進んで海外での稼ぎが膨らみ、GNIとGDPの差は広がっている。 12年末に発足した第2次安倍政権は、再興戦略に民間投資の活性化や成長分野の開拓、海外市場の獲得
日本学術会議法の改定案が今国会にも提案される。人選の方法を改めようとする現首相の岸田文雄氏、一つ前の菅義偉氏は学術会議のあり方を疑問視し、時に「目の敵」にしたようにも見える。背景は一体、何なのか。そんな問題意識から取材を進めると、「お家芸」のように古くから学術会議を痛烈に批判した組織が浮かび上がった。この「接点」をどう考えるべきか。(木原育子、中山岳)
新型コロナ禍初期に、未承認の薬でありながら、「観察研究」の名目でコロナ患者への投与が続けられた「アビガン」。厚生労働省は、その使用実態に関する調査結果を2月中旬、しれっと発表した。本紙「こちら特報部」の情報公開請求には「不当に国民の間に混乱を生じさせる」として、全て黒塗りで伏せてきた、にもかかわらずだ。発表はA4の紙1枚。結局、アビガン観察研究とは何だったのか。そんな簡単な報告で終わっていいのか。(木原育子)
毎晩9時。自宅のWi—Fiが強制的に切れ、ゲームができなくなると、長男は「あと30分延長して」と求めてくる。断る夫と口論になり、やがて暴れるようになった。
【ワシントン=吉田通夫】米国務省は20日、世界各国の人権侵害についてまとめた2022年版の年次報告書を発表した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアについて「多数の戦争犯罪や残虐行為、虐待をした」と明記し、中国の少数民族政策なども批判した。 報告書では、ロシア軍がウクライナで処刑・拷問、女性への暴力、民間人やインフラを狙った意図的な攻撃など「戦争犯罪を構成する信頼できる報告があった」と説明。ウクライナの民間人をロシアに強制移住させ、子どもをロシア人と強制的に養子縁組させていることに「多くの報告があった」とも記した。 中国については、新疆ウイグル自治区のウイグル族ら100万人以上を強制収容するなどの「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と「人道に対する罪」が継続していると説明。イランやミャンマーなどでの市民弾圧も問題視した。 一方、日本に関しては、外国人を収容する入管施設での死亡事例に言及し、長期収容
2022年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は前年比5.1%減の79万9728人で、1899年の統計開始以来初めて80万人を下回ったことが28日、厚生労働省の人口動態統計(速報値)で分かった。国内の外国人などを除き、日本在住の日本人だけに限れば77万人前後になるとみられる。政府機関の推計より10年ほど早いペースで少子化が進んでおり、この傾向が続けば、社会保障制度や国家財政の維持が厳しさを増すのは避けられない。(井上峻輔) 出生数は7年連続で過去最少を更新した。16年に初めて100万人割れとなったが、それから6年でさらに2割程度落ち込んだことになる。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は17年に示した将来推計で、日本人の出生数が77万人台になるのは33年としていた。 婚姻数は3年ぶりに前年を上回ったが、新型コロナウイルス禍で20〜21年は急減しており、今回の出生数減に影響した可能性がある。厚
クーデターを主導したミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官から、麻生太郎元首相と日本ミャンマー協会長の渡辺秀央元郵政相が名誉称号と勲章を贈られた。有権者に選ばれた政権を武力で転覆させ、抗議する市民を多数殺害している人物からの表彰を受け入れるとは、常識的感覚からして信じ難い。苦境にあるミャンマー市民に理解される振る舞いだろうか。(北川成史、大杉はるか) ミャンマーの国営紙によると、ミンアウンフライン氏は20日、麻生氏と渡辺氏に名誉称号と勲章を贈った。首都ネピドーでの授与式に出席した渡辺氏に「両国と両国民、両国の軍隊が友好関係と協力を強化することができた」と謝意を表明。渡辺氏は「生涯、ミャンマーの発展と国軍の地位のために努力する」と約束した。麻生氏は欠席したが、渡辺氏を通して謝意を伝えたという。
【ソウル=相坂穣】韓国統計庁は22日、昨年の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産むと見込まれる子どもの数)が0.78だったと発表した。前年比で0.03下がり、1970年の統計開始以来、最も低い。急速な少子化により経済成長や社会保障の維持が困難になると懸念される。 韓国の出生率は21年の日本の1.3を大きく下回り、経済協力開発機構(OECD)加盟国でも10年連続で最低水準となる見通し。新型コロナウイルス禍の影響もあり、結婚や出産を控える傾向が続くとみられる。韓国政府の予測では数年以内に0.6台まで下がる可能性がある。 昨年の出生数は前年比4.4%減の24万9000人で、20年前の約半分となった。一方、昨年の死者数は同比17.4%増の37万2800人だった。出生数が死者数より12万3800人少なく、20年から3年連続の人口自然減となった。
グーグルマップで遊んでいたら、北太平洋にぽつんと浮かぶミッドウェー諸島に、明治時代の「櫻井又五郎」という名の墓を見つけた。 墓の存在に気づいたのは2020年9月。新型コロナウイルス「第2波」で自粛ムードが漂う中、せめて旅行気分だけでも、と(グーグルマップで)太平洋の島々を巡っていた時だった。 深夜にスマホの中の墓を見つめながら、素朴な疑問が浮かんだ。100年以上も昔、櫻井さんはなぜこんなところに? こつこつと調査を重ね、結論には至っていないが、ひとまず経過をまとめてみたい。何か情報をお持ちの方は、ぜひお寄せください。(デジタル編集部・谷岡聖史) ミッドウェー諸島(環礁) ホノルルから約2000キロ北西、東京都心から約4100キロ東南東にあり、主に大小2島からなる。世界複合遺産でもある北西ハワイ諸島の一部だが、行政上はハワイ州ではなく、米連邦政府の魚類野生生物局が直接管理する。長らく無人島だ
東京・多摩地域で水道水に利用していた井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、住民の血液検査に取り組んでいる市民団体が30日、国分寺市を中心とした87人分の分析結果を発表した。血中濃度が米国で定める指標値を超えた住民は約85%に上り、分析した専門家は「水道水が主な要因ではないか」と指摘した。(松島京太) 調査は、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」と京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が行った。PFASは米軍の泡消火剤に含まれ、全国の米軍基地内や周辺などで高濃度で検出され、問題化している。汚染源は、米軍横田基地(福生市など)との関連も疑われている。 今回は、昨年11月から調べている約600人のうち、中間報告として21〜91歳の87人分の結果を明らかにした。血中に含まれる13種類のPFASを分析し、うちPFOS(ピーフォス)、PFO
動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された被差別部落の個人宅などの動画約200本を、運営するグーグルが昨年、「ヘイトスピーチ指針に反する」として削除した。自治体などが削除を要請していたほか、被差別部落の出身者らが削除を求める署名を集めていた。インターネット上で被差別部落をさらす投稿は後を絶たず、出身者らは「世界的な企業が削除に動いた影響は大きいが、類似の投稿は多くある。さらに対策が必要」と訴える(森田真奈子) 昨年11月に削除されたのは民間アカウント「神奈川県人権啓発センター」の動画。2018年から全国各地の被差別部落の街並みを撮影して「部落探訪」のシリーズで投稿し、地名や個人宅、車のナンバー、墓石などがさらされていた。部落解放・人権研究所(大阪市)によると、シリーズは約200本の動画で構成され、一つの動画で数十万回以上の再生もあった。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く