タグ

ブックマーク / hirokimochizuki.hatenablog.com (9)

  • 自己責任を求める成功者たちにつけるクスリ - 望月優大のブログ

    田圭佑氏のツイートが話題になっていた。若い世代の自殺に関するニュースを取り上げて「他人のせいにするな!政治のせいにするな!!」と吼えている。ああ、このツイートは見たくなかった。好きなサッカー選手であるだけに個人的には残念な気持ちになった。 田氏が取り上げている記事はこちら。 記事を一目読んでみていただければわかる通り、田氏が言うような「他人のせい」とか「政治のせい」とかそういった内容についての記述がある記事ではない。これを読んであのような書き込みをするということは、彼が「自殺」という問題を考えるうえでのある種の思い込み、「自殺者は自分の苦境を「他人や政治のせい」にして自死したのだろう」といった類の思い込みがあるからだろうと思う。若者に対して強く生きるように鼓舞したいという彼の気持ちはわからなくもないが、この文脈で使うべき言葉、そして言葉遣いだとは到底思えなかった。 平凡な、物言いでは

    自己責任を求める成功者たちにつけるクスリ - 望月優大のブログ
  • (続報あり)「ムクウェゲ医師への保護はなくなり、彼の命は危険にさらされている」(仏→日翻訳、署名) - 望月優大のブログ

    こちらの記事で取り上げたムクウェゲ医師の身が現在進行形で深刻な危険にさらされているようです。ノーベル賞候補にも度々あがっている偉大な人物の命がすぐに失われてしまうかもしれないという状況です。 国連軍による彼の人身保護が何らかの理由で停止されたことが理由なのですが、その保護を回復することを求める署名キャンペーンがchange.orgで立ち上がっていたので、ラフですがフランス語から日語に翻訳しました。ムクウェゲ医師と同様に保護を解除された医師は4/14に自宅で暗殺された状態で発見されています。事態は当に深刻です。 日からも同サイト経由で署名に賛同できますので、以下を読んでいただきぜひ日からもたくさんの署名を送りましょう。署名自体は当に簡単です。すぐに終わります。 ーーーーー <仏→日翻訳> ムクウェゲ医師への保護はなくなり、彼の命は危険にさらされている ムクウェゲ医師への保護はなくな

    (続報あり)「ムクウェゲ医師への保護はなくなり、彼の命は危険にさらされている」(仏→日翻訳、署名) - 望月優大のブログ
  • 上野千鶴子氏の発言を読んで思ったこと。 - 望月優大のブログ

    上野千鶴子氏の中日新聞紙上での発言が話題になっていました。炎上と言ってよいかと思います。上野氏の発言はこちらで全文読むことができます。Togetterもできていました。 この国のかたち 3人の論者に聞く|考える広場|朝夕刊|中日新聞プラス 上野千鶴子「日人は多文化共生に耐えられないから移民を入れるのは無理。平等に貧しくなろう」 - Togetterまとめ 上野氏の発言を簡単にまとめます。カギカッコの中は引用です。 日は今転機にある。最大の要因は人口構造の変化。 人口を維持するには自然増か社会増しかない。自然増は無理だから社会増、すなわち移民の受け入れしか方法がない。 したがって、日には次の選択肢がある。「移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。」 「移民政策について言う

    上野千鶴子氏の発言を読んで思ったこと。 - 望月優大のブログ
  • 私たちは私たちの(無)関心とどう付き合うか。ムクウェゲ医師と『女を修理する男』上映会の記録。 - 望月優大のブログ

    先日『女を修理する男』という映画の上映会を開催しました。日国内で難民支援の活動をしている難民支援協会さんとWELgeeさんと一緒に企画したこの上映会、当日は100名ほどの方にお越しいただくことができました。学生、社会人、メディアや大学、NPO関係の方々もいらしていました。 上映会当日までの思い出深い経緯なども含めて、今後のためにも徒然なるままに記録しておこうと思います。 2/2 映画「女を修理する男」上映会+トークショー - 私たちは私たちの(無)関心とどう付き合うか | Peatix 当日は最初に15分ほど会の経緯や映画の背景情報について簡単にお話し、その後映画を観て、最後に振り返りのトークを行う、という形で進めました。丸々3時間の盛りだくさんイベントです。 いきなり余談ですが、映画を観たあとにこのような形で消化できる時間があると個人的にもとてもいい体験だなと思います。誰かと話したり、

    私たちは私たちの(無)関心とどう付き合うか。ムクウェゲ医師と『女を修理する男』上映会の記録。 - 望月優大のブログ
  • 難民受け入れ等に関するトランプ米大統領令「米国への外国人テロリストの入国から国民を保護する」について - 望月優大のブログ

    1/27日金曜日に署名された米大統領令について情報を整理しておきたい。トランプ大統領の就任以降、毎日のように大統領令が出されているが、その一つについてである。 シリア難民の受け入れ停止やシリアを始めとする7カ国の人々に対するビザの発給停止など様々な措置を含むこの大統領令には “Protecting the Nation From Foreign Terrorist Entry Into the United States.” というタイトルがついている。日語にすると「米国への外国人テロリストの入国から国民を保護する」となる。 大統領令の英語全文がNew York Timesにアップされている。大統領令の日語全訳はまだ目にしていない。 この大統領令にはINA (Immigration and Nationality Act ; 移民国籍法) やU.S.C. (United States

    難民受け入れ等に関するトランプ米大統領令「米国への外国人テロリストの入国から国民を保護する」について - 望月優大のブログ
  • ドナルド・トランプの勝利と「新しい世界」について - 望月優大のブログ

    先日のアメリカ大統領選でドナルド・トランプが勝利したという出来事について、アメリカにおける人種・エスニシティの問題、そして移民問題という視点から振り返ってみたいと思います。 そうするのは、それらの問題がこの選挙において最も根的であると私が考えているからであり、ジェンダーや所得、居住地域など、他にもありうる幾つかの視点の一つという位置付けではありません。最も根的な意味で、この選挙において重要だったのは人種・エスニシティであり、移民の問題であったと私は考えています。 この記事では以下の順序で話を進めていければと思います。 誰がトランプに投票したのか? 白人の民主党離れとクリントンが勝てなかった理由 ドナルド・トランプの勝利と「新しい世界」について 少し長くなりますが、お付き合いいただけたら嬉しく思います。 1. 誰がトランプに投票したのか? トランプ勝利のニュースの後、色々な人たちがトラン

    ドナルド・トランプの勝利と「新しい世界」について - 望月優大のブログ
  • 共産主義下チェコスロバキアにおける恐怖のメカニズムとその克服。『ザ・ティーチャー』ヤン・フジェベイク監督が語ったこと - 望月優大のブログ

    東京国際映画祭(TIFF)2016が10/25~11/3に行われていました。今日はその最終日。これまでどの映画も観に行けていなかったので、何か観たいと思っていたところ16時からチェコのヤン・フジェベイク(Jan Hřebejk)監督の『ザ・ティーチャー / The Teacher / Učitelka』が上映されることがわかったので観に行ってきました。 国際映画祭らしく、上映後にフジェベイク監督人とのQ&Aセッションが30分にわたってたっぷりと設けられていたので、そちらの内容も含めて書いていければと思います。 ヤン・フジェベイク監督(IMDbより) まずはTIFFのHP記載の監督紹介と作品解説を一読ください。 監督紹介 1967年プラハ生まれ。FAMU(プラハ芸術アカデミー映像学部)にて脚編集と脚を学び、在学中に制作した作品が高い評価を得た。脚家ペトル・ヤルホフスキーと組み、長編映

    共産主義下チェコスロバキアにおける恐怖のメカニズムとその克服。『ザ・ティーチャー』ヤン・フジェベイク監督が語ったこと - 望月優大のブログ
  • 日本の貧困は「降格する貧困」に近づいている。セルジュ・ポーガム『貧困の基本形態』講演から。 - 望月優大のブログ

    「はしごの下にいるんだよ。それ以外におれたちが誰なのかをはっきりさせる言葉があるのか。おれたちははしごの下にいて、うやわず、それだけさ。おれたちのための言葉なんてない。はしごの下には工員がいて……やがて上に上がっていく。でも、おれたちは?失業者じゃない、工員じゃない、何でもない、存在しないんだよ!社会の乞だ。それがすべてさ。何者でもないんだ!」(工場勤務歴20年以上の41歳RMI受給者の語り) セルジュ・ポーガム『貧困の基形態』終章の冒頭に掲げられたエピグラフ 10/22に現代フランスを代表する社会学者であり、貧困の社会学で有名なセルジュ・ポーガム教授の講演に行きました。講演のタイトルは「貧困の基形態 日的特殊性の有無について」となっており、今年日語訳された『貧困の基形態』のタイトルをそのまま掲げつつ、さらに日貧困についても語ることが期待されました。 日仏会館フランス事

    日本の貧困は「降格する貧困」に近づいている。セルジュ・ポーガム『貧困の基本形態』講演から。 - 望月優大のブログ
  • 児童虐待問題について福祉専門職の後輩が教えてくれたこと - 望月優大のブログ

    昨日の朝こちらの記事を読んで何ともいたたまれない気持ちになり、「何度も保護できるチャンスがあっても保護できなかった。子どもを社会で育てるってどういうことだろうか。」というコメントを添えて投稿しました。 「バイバイ」笑顔の幼子、母は橋から落とした:朝日新聞デジタル すると、行政で福祉専門職として働いている後輩からとても参考になる文章を送ってもらったので、ぜひシェアさせてください(人の承諾を得ています)。現場に近い立ち位置からの貴重なコメントだと思います。 何度も保護できるチャンスがあっても保護できなかった。 死亡事例の報道でよく言われることです。 最初に念のため、申し上げておきたいのは児相が支援しているケースの99%は児相の支援により命を落とすことを防げているのであって、1%、ほんのわずかな綻びで命を落としてしまうケースばかりが報道で取り上げられ、その度に現場はプレッシャーを高め、中には心

    児童虐待問題について福祉専門職の後輩が教えてくれたこと - 望月優大のブログ
  • 1