『オウィディウス』著 沓掛 良彦 訳 岩波文庫 214ページ 恋愛技術は、オレが教えちゃる!とばかりに自信満々の真打登場。 ローマの一大詩人、オウィディウスの教授はギリシア神話の神々も ダメ出しをくらうほど手厳しく、そして楽しい。 そもそも、この本はパロディ。真面目腐った題材を、面白おかしくもじるのは、この時代すでに始まっていた。 題材になったのはウェルギリウスの「農耕詩」。ウェルギリウスと言えば、古代ローマの詩人では 一番有名といっても差支えなく、ダンテの神曲にも案内役として出てきていましたね。 いたって真面目な彼。きっとA型の男でしょう(笑)。それを一変して恋の手引き本に変えてしまった。 この手法が一般市民に受けたのは言うまでもない。 とにかくローマは性愛に自由だった。どこかで触れたかもしれないけれど、ポンペイは特にその傾向が強い。 ローマ市民にとって、軽井沢の別荘のようなイメージ