三浦と渡辺のケンカだケンカだ。17にもなって、休み時間に口論だ。周りのみんなは、机三個分の遠巻きから見て見ぬふり、そこに現れたクラス委員長のメガネは薄作り。 「やめないか君達。ケンカなんかして」 二人は委員長の方を見もしない。 「黙っておいてくれないか、クラス委員。三浦くん、このパリサイ人め。君は神を冒涜した」 「それはこっちの台詞だぜ渡辺ぇ!」 学級委員長は、わかった、二人の言い分はわかった、というように両手を下に向けてうなずき、左手でメガネを外し、右手で目頭を押さえると、そのまま動かなくなった。 ヒソヒソ「クラス委員長、宗教がからんでいるとわかった途端にあの有様だ」「意外に学がないぜ」「該博な知識で、この場をいさめてくれると思ったのに、がっくしだわ」「白髪が多いし」 委員長はぴくりとも動かない。だが、何か言った。今口動いた。 「え!?」と三浦が声をあげる。「何か言った!?」 「神様も、
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く