お金をどんなふうにとらえているだろうか。 自分が稼いだお金を「自分のお金」。 誰かが持っているお金を「あなたのお金」。 親が貯蓄しているお金を「親のお金」と呼んでいるだろうか。 ところで「自分のお金」とは、一体なんなんだろう。 もちろんそれは、自分が稼いで、自分の手元にある自由に使えるお金のことをいうのだけれど、それは本当に自分のお金なのだろうか。そもそも、本当にお金が自分のものであったことなどあるのだろうか。 … お店で買い物をしたとする。「自分のお金」だったものは「店のお金」もしくは「会社のお金」になる。そのお金は従業員に還元され、もしくは株主に配当されたり社長が豪遊したりして、「見知らぬ誰かのお金」になる。そしてまた他の誰かが使い、また別の人のものになり……というように続いていく。 お金は所有者をころころと変え、この世界を回っていく。 考えてみて欲しいのだけど、お金がずっと自分の元に