十二月中旬のとある日、私の携帯電話が鳴った。番号は、義母がお世話になっているデイサービスのマネージャーさんからのものだった。急いで出ると、少し沈んだ声で「村井さん、すいません……。実はデイサービスの職員から感染者が出まして……」という話だった。コロナ禍が始まってすでに三年、こんな電話にも慣れっこになった。どれだけ感染対策を徹底したとしても、相手は目に見えないウイルス。防ぎようがない場合があって当然。私は「そうですか、大変ですね」と答えた。マネージャーさんは「それで、お義母様の調子はどんな感じかなと思いまして、電話したんです」ということだった。 その時点で、義母とは一週間程度会っておらず、状況確認のため一旦電話を切って、実家に電話をした。すると電話に出た義母、笑ってしまうぐらい声がガラガラだった。うわ~、感染しちゃったなあと思ったが、ワクチンは済んでいるし、罹ったとしても軽症だろうと咄嗟に考
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