──吉岡さんがアニメーションの世界に入ったきっかけを教えてください。 吉岡誠子(以下、吉岡) 小さい頃から絵を描くこととアニメが大好きでした。漫画やアニメのキャラクターを模写するのが楽しくて、中学生のときの将来の夢はアニメーターになること。高校ではアニメーターになるために美大を目指しましたが、「アニメの世界に進むなら、美大よりも専門学校の方が2年早く現場に出られるかも」という母の言葉に背中を押されて専門学校へ進学しました。 専門学校では、アニメーターと背景美術のクラスを選択。いろいろと学ぶうちに、線画を描くアニメーターよりも、背景美術の方が自分に向いていると感じ始めて……。その当時、背景美術は紙に絵の具で描く時代で、色彩を表現できることがなによりも楽しかったんです。そこで専攻を背景美術に絞って、卒業後はアニメーション美術監督の小倉宏昌さんがアニメ制作会社「プロダクションIG」内に設立した「