中国の歴史はふたつの世界にわかれている。ひとつは「儒教」を踏まえた知識人の世界、もうひとつは「侠きょう」(男気、義侠心)に生きる庶民の世界だ。三国志研究の大家たいかで、今年2月に『『論語』 孔子の言葉はいかにつくられたか』(講談社選書メチエ)を刊行した中国古代史研究者の渡邉義浩氏は「三国志の魅力は、ふたつの世界が交わる希有な時代だった点にある」という。今年に入り『現代中国の秘密結社』(中公新書ラクレ)、『「低度」外国人材』(KADOKAWA)を立て続けに刊行した中国ルポライターの安田峰俊氏との対談をお届けする――。