2024年8月21日~23日にわたって開催された「CEDEC2024」。本稿では21日に行われた講演「消費社会の宗教:ファンダム・カルチャー」のレポートをお届けする。 登壇者の柳澤田実氏は、関西学院大学神学部准教授。もともとは哲学・キリスト教思想の専門家だったが、宗教と推し活に類似点を見出し、現在は推し活を中心とした現代カルチャーの研究も行っているという。 確かにオタクにとって“推し”は神にも等しい、「信仰対象」と言って過言ではない存在であることは、筆者も一介のオタクなので感覚的によく分かる。この「推し≒神」という感覚を宗教学の観点から紐解くことで、推し活文化が持つ問題点をも言語化していく本講演は、いままで見ていた景色を対岸のほうからのぞき見るような刺激的なものだった。 「聖なる価値」に無批判すぎると、社会の“ポスト・トゥルース化”に繋がる可能性も 推し活と宗教の類似性を考える上で重要なの