【前説】 「健康でありたい」。そのためにはどうすればいいのでしょうか。政府は今月告示した向こう10年間の健康政策の目標の柱に、初めて「健康格差の縮小」を掲げ、取り組みに乗り出すことを決めました。健康なくらしを広げていくために今、何が必要なのか、今夜は考えます。 向こう10年間、国民の健康を増進するためにどんな取り組みをしていくのか。政府はその基本方針を定めた「健康日本21」を告示しました。 注目されるのは、健康を増進するために、生活習慣の改善や、生活習慣病の予防など、これまでのように個人を対象にした政策と合わせて、社会環境を整えることで、健康格差を縮小させる、つまり、社会のあり方にも目を向けた政策に車の両輪として取り組む方針を初めて掲げたことです。 この背景には、この10年から20年の社会・経済状況の変化があります。所得の低い人が増え、一人暮らしの人が急増するなど、家族のありようも変わり