東日本巨大地震は、春の観光シーズンを迎えた茨城県内の観光業に大きな打撃を与えた。 観梅でにぎわうはずの水戸市の偕楽園は地面が至る所でひび割れ、閉園に追い込まれた。復旧には半年から1年程度かかる見通しだ。ホテルは宿泊のキャンセルが相次ぎ、ほかの観光施設も閉鎖し、静まりかえっている。利用者からは「早く復旧を」「頑張って」と激励の言葉が寄せられ、関係者は再開に向けて準備を進めている。 ◆偕楽園 3連休初日の19日、歩道の一部がひび割れ、橋との間に30センチ以上の段差ができていた。園内の梅を一望できる「好文亭」も玄関付近の壁が崩れ、茶室の窓のひさしが外れてぶら下がっていた。ただ、梅林に被害はなく、白やピンクの花が甘い匂いを放っていた。偕楽園公園課の横田義彦課長は「いつもなら観光客でごった返す時期。梅が咲いているのに見てもらえないのが残念」と肩を落とす。 敷地約13ヘクタールに100品種3000本の