理化学研究所などのグループが作製に成功した新しい万能細胞、「STAP細胞」。 いったん組織や臓器になったあとの哺乳類の細胞が、外部からの刺激だけでそれらの役割が決まる前の元の細胞に戻るという、従来の常識を覆す成果に世界中から注目が集まっています。 その具体的な仕組みやiPS細胞との違い、将来の医療への応用に向けた課題はどこにあるのか、さらに残された科学的な謎とは何か。 科学文化部の中川真記者と神戸放送局の鈴木健吾記者が解説します。 STAP細胞とは STAP細胞は、神戸市にある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループが作製に成功しました。 生まれてまもないマウスのリンパ球を弱酸性の液体に30分ほど浸し、その後、培養したところ、さまざまな種類の細胞に変化する能力を維持する遺伝子が活性化することを突き止めました。 そしてこの細胞をマウスの