ビジネスで企業を分析する、といえば普通は決算書を見る。決算書は財務諸表とも言うが、利益・資産・資金繰りに関する会計情報が細かく書いてある書類だ。上場企業ならば財務諸表にそれ以外の情報もセットにした「有価証券報告書」を年に1回公表している。 就職活動を行う大学生も業界分析とか企業分析をしているはずだが、有価証券報告書を用いる事は一般的では無いようだ。アマゾンで検索をしてみても、企業分析を会計的な目線で就活生に伝える類の本は2・3冊しかない。 この説明だけを読めば「潰れそうな会社にしがみつくなんてバカな大学生だなあ」と感じるかもしれないが、実際には前年に、日本綜合地所は過去最高益を更新していた。まさかそんな会社が潰れるとは大学生に分かるはずも無いだろうが、決算書を見れば一目瞭然だった。売り上げが増えたのをいいことに在庫は1.5倍と過剰に積みあがっていた。その在庫の原資は手許現金だけでは足り