優れたIT企業は「自分のところのドックフードなら喜んで食べる」くらい自社製品に自信を持っている、というのがシリコンバレーの常識だ。あいにく吾輩はドッグフードを食べないのだが、その常識が適用されないケースもときにはあるようだ。シスコシステムは、間違いなくそうした企業の1社だろう。 最近、シスコはテレプレゼンス製品を猛烈な勢いでプッシュしている。テレプレゼンスというのは、最近注目を集めるウルトラハイエンド高画質実物大テレビ会議システムのことだ。人気テレビドラマ「24」にもしばしば登場する。あるエピソードでは、大統領が災害回避のために外国の首脳と緊急に話し合う必要が生じ、テレプレゼンスを使って議論するシーンがあった。シスコは各地のさまざまな産業見本市に出展し、この技術をいま大々的に宣伝しいている。 ところが先日、シスコの記者発表に出席した吾輩や他のプレス関係者は、同社が「いいかげんアップグレード