3月15日、16日に東京・板橋区の小豆沢体育館で行われた女子レスリングの国別対抗団体戦のワールドカップ(W杯)において、日本は、決勝でロシアに8-0の完勝を収め、2年ぶり7度目の優勝を果たした。 日本チームの要である吉田沙保里選手は、精神的かつ身体的にも極めて厳しい状況下で、出場試合のすべてに完勝し、日本の優勝に大きく貢献した。 吉田選手の父の栄勝(えいかつ)さんは、日本チームのコーチ陣の一員であり、3月11日、W杯が行われる東京への移動途上で、くも膜下出血で急逝した。 それ以降、吉田選手は、お父さんに付き添い、ろくに眠ることもできないまま、青ざめて焦燥しきった状態が続いた。そんな厳しい状況下で、通夜、葬儀と続き、休む間もなく、東京へ向けて移動し、W杯に出場した。 3月13日、三重県津市で行われた通夜会場で取材に応じ、吉田選手は、涙ながらに語り、W杯への出場を明言していた。 「お父さんのた