マリリン・モンローやエルヴィス・プレスリーなど、大衆社会のスターの写真をシルクスクリーン技法により再現し、キャンベルスープやコーラなど誰にでも入手可能なモチーフにほとんど手を加えることなく並べ立て作品にした20世紀の最も評価されるべきアーティストの一人で、ポップアートの代表的人物の一人として世界中でその名を知られているアンディー・ウォーホル。 その最大の功績は欧州を中心としたブルジョア的な芸術、すなわちハイアートを解体し、それに対するアンチテーゼとしてのプロレタリア的なアート、すなわちローアートの新たな地平を開拓したことだと言えよう。 以下にそのウォーホルを考察することでポップアートというものをおぼろげながらも浮かび上がらせていきたいと思う。ポップアート自体を考えるのではなく、ポップアートの申し子であるウォーホルについて考察することで、ポップアートの輪郭を描いていきたい。まずはその生い立ち