福島第一原子力発電所の放射能漏れを恐れて千葉県から避難し、長崎県警本部を訪ねた中国籍の住所不定、アルバイト林建明容疑者(48)が26日、入管難民法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕された。 「放射能が怖くて逃げてきた」と供述しているという。 発表によると、林容疑者は在留期間が2000年9月6日に切れたまま、不法滞在した疑い。同年6月に短期滞在の在留資格で成田空港から入国。在留期間が切れた後も10年以上にわたり、千葉県船橋市内でアルバイトを転々としていたという。 東日本巨大地震の発生後、地震被害や原発からの放射能漏れを聞いて同市を出て、約1週間前に長崎市に着いたという。県警本部で不法残留が発覚し、「中国に帰りたかった」と供述。長崎まで来た理由ははっきりしていないが、同署幹部は「帰国の相談に来たのでは。西の果てまで来たら中国に帰れると思ったのかもしれない」と話している。
別れを惜しむ第71大喜丸の前田晃寿船長(左端)とインドネシア人乗組員たち。右端は前田船長の妻美保子さん=宮城県気仙沼市、岩田写す冗談を言い合って別れの時を惜しむ、第71大喜丸の前田晃寿船長(手前)と、インドネシア人の船員たち=宮城県気仙沼市、岩田写す 大津波は水産業の現場を支えてきた外国からの研修生や実習生の人生も、一変させた。津波に漁船や工場がのみ込まれ、働く場をなくした人たちは涙ながらに帰国した。漁船で沖に出たまま、行方が分からない人たちもいる。 「元気でね。泣かないの」。宮城県気仙沼市の水産加工会社大島水産で働く伊藤あつ子さん(60)は、握った手を離そうとしない中国人研修生、李怡(リー・イー)さん(26)を抱きしめた。震災後、不安げな姿を見て、伊藤さんは避難所の同じ教室で寝泊まりしてきた。「ずっと一緒にいてくれた。お母さんみたいな人。離れたくない」。李さんは泣いた。 帰国のため
被災地になってしまった航空自衛隊松島基地。 体長の悔し涙と、航空機の悲惨な姿。しかし、それを跳ね除けて被災現場へと向かう隊員達。
「あらぬうわさが飛び交っています」と注意を呼びかけるビラが避難所で配られた=25日午後2時45分、仙台市宮城野区の岡田小学校、金川雄策撮影 東日本大震災の被災地で、流言が飛び交っている。「外国人の窃盗団がいる」「電気が10年来ない」……。根拠のないうわさは、口コミに加え、携帯メールでも広がる。宮城県警は25日、避難所でチラシを配り、冷静な対応を呼び掛けた。 「暴動が起きているといったあらぬうわさが飛び交っています。惑わされないよう気を付けて下さい」 宮城県警の竹内直人本部長は、この日、避難所となっている仙台市宮城野区の岡田小学校を訪れ、被災者に注意を呼びかけた。チラシを受け取った女性(43)は「犯罪はうわさほどではなかったんですね」と安心した様子を見せた。県警によると、110番通報は1日500〜1千件程度あるが、目撃者の思い違いも少なくないという。 しかし、被災地では数々のうわさが
那須御用邸のお風呂に入浴に訪れた人たち=26日午前10時40分、栃木県那須町、川村直子撮影那須御用邸に入浴に訪れた人たち=26日午前、栃木県那須町、川村直子撮影 皇室の那須御用邸(栃木県那須町)で26日、東日本大震災で避難している人たちを対象に、入浴施設の開放が始まった。初回は福島県から同町スポーツセンターに避難している22人が交代で入浴した。 開放されたのは、天皇陛下が静養する際に同行する宮内庁職員用の宿泊施設「供奉員宿舎」の風呂。御用邸と同じ1926(大正15)年に造られた木造2階建ての1階にある。 午前9時半、風花が舞う中、バスで到着した避難者たちは、2〜3人が入れる源泉かけ流しの湯船三つに交代でつかった。福島県相馬市から避難してきた漁師の石橋秀一さん(51)は、被災してから2回目の風呂だった。震災で半壊した自宅は福島第一原発から約40キロ。妻子とともに放射線から逃れて18日に
東京電力福島第一原子力発電所3号機のタービン建屋内で起きた作業員3人の被曝(ひばく)事故をめぐり、東電側が1号機の同建屋でも同様の放射線量を6日前に把握しながら、注意喚起していなかったことが判明。東電側は26日、後手にまわった対応への釈明に追われた。専門家らは、ずさんな安全管理を批判している。 同日午前の東電本社。連日の記者会見に姿を見せた福島第一原発の藤森昭彦・環境担当は、注意喚起がなかった理由を問われ、言葉に窮した後、「十分な情報共有がなされていなかった。現場の混乱があったと思われる」。絞り出すような声だった。1号機関連の高い放射線量の公表が遅れたことについても、吉田薫広報部部長が「申し訳ない」と述べるにとどまった。 経済産業省原子力安全・保安院も、東電から1号機関連の報告を25日未明に受けながら、公表したのはほぼ1日後。西山英彦審議官は「3号機に神経が集中していたという事情があっ
【ワシントン=山田哲朗】米エネルギー省は25日、米軍機による24日の観測データなどに基づく福島第一原発周辺の地上での放射線量の推定値を更新した。 放射線量が比較的高い地域は、引き続き原発から北西方向に帯状に広がっているものの、放射線量は前回22日の発表値より低下した。 22日に発表された17〜19日の観測では、1時間当たり125マイクロシーベルト以上の地域が30キロ・メートル付近まで北西に広がっていた。24日の観測では、一帯の放射線量は21・7マイクロシーベルト以上に落ちた。 エネルギー省は「観測地域ではその後、放射性物質の顕著な蓄積はなかった」としている。
東日本巨大地震では、メールやTwitterでデマや嘘(うそ)の情報が大量に流れている。デマや詐欺に踊らされないようにしたい。(テクニカルライター・三上洋) 震災被害・原発事故でのデマが出回る 「製油所火災で有害物質の雨が降る」「放射線に対する備えにはうがい薬を飲め」こんなメールやTwitterのつぶやきが流れている。もちろん、どちらもデマだ。東日本巨大地震直後から、携帯電話メールやTwitterなどでデマや嘘、不安をあおる情報が目立っている。デマやガセ情報のパターンはいくつかある。今回の震災で流れているデマをパターン別に見ていこう。「→」は筆者による注意書きだ。 ●震災被害・原発事故の不安をあおるもの デマ:『千葉の石油会社の火災で、有害物質の雨が降る可能性があるとの情報をもらいました。できるだけ外出せず、雨が身体にかからないようにしてください』 →事実とは大きく異なる。火災が起きたの
大人も水道水飲めない飯館村「買い占めやめて」 「不安を感じるのは分かるが、買い占めはやめてほしい」。福島第1原発から約二百十キロ離れた東京都内の浄水場の水道水から23日、放射性ヨウ素が検出された。既に高い値の放射性物質が出て、大人も含め水道水が飲めなくなっている福島県飯館村では、冷静な対応を求める切実な声が上がった。 都内では同日、都内のコンビニやスーパーでは、ペットボトルの水のまとめ買いをする人が相次いだ。在庫から補給はされたものの、一時売り切れになる店舗が続出。都によると、摂取制限の対象となる幼児は約8万人。買い求めた全員が幼児のためだったかは不明だ。 飯館村の水道水では20日、965ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。東京都の約4・5倍、大人の基準300ベクレルも大きく上回る。翌日、職員が各戸を回って1人当たり3リットル分の水をペットボトル入りで配った。県が給水車を出すという案
来月、妹が生まれるはずだった。宮城県東松島市の市立大曲小4年、高橋さつきさん(10)は、避難所に変わった小学校で「お父さんだけでも元気でいて」と祈り続けている。母奈美子さん(30)が昨年のクリスマスイブに寿作さん(30)と再婚し、さつきさんは初めての妹との暮らしを心待ちにしていた。妹は自分と同じ平仮名の「ほのか」になるはずだった。しかし、お母さんと一緒にあの津波にのまれた。 地震の数時間前、お母さんとお父さんが学校に来て「赤ちゃんの服を買ってくるから、お迎えちょっと待っててね」と出かけていったのが最後だった。「あの時、引き留めておけば……」。22日、遺体安置所で泥まみれのお母さんと対面した。とても信じられなかった。お父さんは依然安否不明だ。 お母さんとお菓子を作るのが好きだった。夢はパティシエ。両親のいない避難所暮らしはつらい。それでも「新しい友だちができた。お母さんは亡くなっちゃったけど
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