全国で初めて秋田県教委が実施した博士号取得者対象の特別選考で合格した理工系大学研究員6人が1日、県立高校教員に採用される。選考は予想を大きく上回る10倍の難関だった。地方の教員試験への博士殺到には、「末は博士か大臣か」と言われた時代からは想像もつかない深刻な理由があった。(宮原啓彰) 「募集若干名」の特別選考試験に応募したのは57人。北海道から長崎まで全国に及び、中には米国や台湾からの応募もあった。 秋田の応募条件は「39歳以下」「博士」の2点だけで、教職課程を修めている必要もなかった。今回採用される6人は30〜40歳で、東京大や東京工業大、東北大など一流大学の出身者。5人が常勤、1人が非常勤の教員として採用される。 応募があるのかさえ不安だった秋田県教委だが、結果的には反響の大きさに驚かされた。意外だったのは面接で「大学にいても生活できない」と志望動機を話す人がいたことだ。 平成時代に入