食卓や居酒屋の一品として、さらには弁当のおかずとしても「定番」の鶏の空揚げ。このおなじみのメニューが今、ブームになっている。専門店が増え、関連商品もヒット。何が起きているのか。 東京都葛飾区立石にある創業60年余の空揚げ店「鳥房(とりふさ)」。鶏肉店を兼ねる店先に据えられた二つの大鍋で、3代目主人の水澤昭さん(67)が鶏の半身を丸ごと揚げていく。 約600円(大きさによる)の空揚げが1日200個以上、週末には300を超える勢いで売れる。「ブームだってね。この近所にも(空揚げ店が)四つできた」。水澤さんは目を丸くする。 都内の空揚げ専門店は急増している。一般社団法人「日本唐揚協会」によると、09年には10店だったのに、昨年12月時点で60店以上に増えた。同協会は、空揚げ愛好家たちが08年に設立。人気店を集めた「からあげカーニバル」を大手スーパーで催したり、コンビニエンスストアの商品監修にも関