「イスラム国」(ISIS)の邦人人質事件について、安倍晋三は口では「人命優先」と言うのだが、いくら目を凝らしてニュースを見ても、安倍晋三や政府に「人命優先」の姿勢など全く感じられない。 安倍晋三は、今後人質が殺害された場合、これを「集団的自衛権」の行使第1号の口実にすべく、何らのアクションも起こさないと決めているようにしか見えない。安倍晋三や政府の冷酷非情さには背筋が凍る。 私のような年代だと、2004年のイラク人質事件もさることながら、1977年のダッカ日航機ハイジャック事件を思い出す。あの事件で、時の総理大臣・福田赳夫は「人命優先」の決断を下したが、右派の人士たちから激しい非難を浴びた。それは、今にして思えば、ネトウヨ的な言説のはしりだったといえるかもしれない。その後、2004年のイラク人質事件では、小泉内閣の官房長官を務めていた福田赳夫の倅・福田康夫は「自己責任論」を口にした。 しか