前回に続き、6月18日発生した大阪北部地震の被災地で取材した新人記者のリポートです。あまり報じられることがない記者心理を描きました。 いきなり嫌われ者 「あんたたちのせいで今、もめてるんでしょうが。ほんっと空気読めよ」。思わず身体がビクッと止まった。大阪北部地震でプールのブロック塀が崩れて小学4年生の三宅璃奈さん(9)が犠牲になった大阪府高槻市の寿栄小学校の保護者説明会で、ある母親から浴びせられた一言だ。隣で子どもがびっくりした顔で自分の母親を見つめていた。「…ごめんなさい」と謝るしかなかった。 こんなやりとりから応援取材は始まった。夕方に始まったブロック塀に関する説明会は夜遅くまで続いた。 地震発生から4日目の21日、被災地では、報道過熱という新たな問題が起きていた。小学校には連日多くの報道陣が押しかけ、うんざりしている保護者と報道陣の間にはピリピリした雰囲気が漂っていた。被災地に入った