12月末に就任された林芳正・農林水産大臣は「攻めの農林水産ということに意を用いていきたい」と強調しています。「今の日本における水産業を取り巻く環境は、「魚価の低迷」「燃油高騰」「担い手の育成」「老朽化している代船建造」等々の問題が山積み」(大日本水産会)というのが共通した認識かと思います。しかし、買付け担当者である筆者は、北欧各国の買付け先から、燃料費の上昇による値上げを要求されたことはありません。さらに魚価については、低迷どころか、全般的に上昇しています。日本の水産業の現実とは、まるで別世界の話です。 科学的根拠に基づいた漁獲枠と厳格な個別割当て もちろん燃料費は、北欧の国々でも問題になっているはずです。しかし、燃料費の上昇を理由に魚価をあげようとしても、需給バランスがあるので国際市場は受け入れてくれません。また日本の消費者も、燃料費が高くなった分だけそれを理解して料金を支払ってはくれな