厚生労働省エイズ動向委員会は27日、今年1〜9月に献血された血液のエイズウイルス(HIV)検査で、HIVを感染させるおそれがある血液が55件あったと発表した。 55件の血液はすべて廃棄され、輸血には使われていないが、日本赤十字社は2月に1件の血液が検査をすり抜けて患者2人に輸血され、1人がHIVに感染したことを、26日までに確認している。厚労省は「HIV検査を目的とする献血が、依然として続いている可能性がある」として、HIV検査は保健所などで行われる無料の匿名検査を利用するよう呼びかけている。 エイズ動向委によると、今年9月までの献血数は390万8307件。HIV検査の陽性率は10万件あたり1・41件で、国内でHIVの新感染者が見つかる割合より約2倍高い。昨年は1年間で68件検出され、陽性率は同1・29件だった。