依存型ジャイアンには「現在」は無い。一瞬過去の「状況」があるだけだ。周囲の人は「与えられた不変の状況の一部」として認識されるだけだ。 「並んで飛ぶロケット」のイメージで言えば、並んでいる相手は「いつも同じ場所に必ず飛んでいる」という前提がある。 実際は異なる。自分が少し離れた後で戻ってきても、元の軌道に相手がそのまま居る保証はどこにも無い。 依存型ジャイアンの世界には、「相手が意志で選択する」という想定が根本的に落ちている。登場する人間は状況の一部で生きた「他者」ではないのだ。 相手と離れたくなければ、並んで飛び続ける努力をするしかない。依存型ジャイアンの前提は、「相手は必ず自分から離れないで飛び続けるはず」という根拠の無い断定を意味する。 「現在」とは、「不可知で不安に満ちた未来に向けて、今この瞬間に同じように未来への不安を抱いた他者と同じ場所を共有する」ということだ。 「自分にも他者に