本日、上記のテーマで、参議院議員会館において講演しました。 以下は、その要旨です。 1 視点 特定秘密保護法案(以下「法案」という)については、様々な問題が指摘されているが、刑事手続において、現実にどのようなことが起きるか?いかなる危険性があるか?ということを、現行の刑事実務に即して考えておくことは必要であり意味がある。以下、このような視点で検討を加えてみる。 2 捜査はいつ、どのようにして始まるか? 一般の刑事事件では、警察による犯罪の認知や被害者による届出、相談から捜査は開始される。その後の捜査に問題が生じることはあっても、犯罪(的事象)が、まず存在し、そういった対象への捜査には必要性、合理性があるのが普通。担当するのは刑事部(警視庁刑事部、東京地検刑事部)。 これに対し、法案が想定する各種犯罪行為は、高度の政治性、そうであるが故の特殊性を有する可能性が高く、いわゆる「公安事件」として