別にイジメを受けていたとかいう話ではない。 毎日楽しく過ごしていたのだが、ただなんとなく自分のことを他人に語ることに抵抗があってイヤだった。 自分の行動や考えを知られるのが怖いという漠然とした恐怖が一番近いだろうか。 一種の自己防衛的な気持ちが働いてしまうようだった。 その言葉についての私の理解は、相手から情報を引き出して判断材料を増やすことで、相手より優位にコミュニケーションを進めるための「攻撃」だった。 親や級友やその他大勢から、相手の知らない自分の時間について質問されるたびに、既に相手が知っている当たり障りのない内容や虚実織り交ぜた返事をしつつ、 同じように「そっちはどう?」と聞き返して逆に有利を取りに行くという方法を自然と選択するようになり、私は息をするように嘘をついて、精神的な安定を得る子供になった。 ありもしない失敗談を語ったりもしていたので、自分を良く見せようという心理とも、