※連載第1回(「コーネリアス」にも「渋谷系」にも興味がない私が小山田圭吾にインタビューした理由)から読む 狙った人物に会える時の高揚感 かつて「トップ屋」と呼ばれたスクープ記者でなくとも、取材をして書くことを生業にしている者であれば、世間を騒がせた渦中の人物に自分だけが接触できた時の高揚感は言葉にできないものがある。無論、その時点では「狩り」は成功していない。それでも、自分が狙った人物に会えると分かった時の胸の高鳴りは言葉にならないものがある。 小山田圭吾氏と会えると分かった時、まさにその心境だった。 本来、小山田氏側からすると、どこの馬の骨かも分からないフリーライターには絶対に会いたくはない心境だったはずだ。「何を書かれるか分からない」という計り知れない恐怖があったに違いない。 しかし、水と油のように混じり合うことのない両者が、何の因果か思惑が一致し、希に惹かれあう場合がある。渦中の人物