突然の渡航禁止でドーハ国際航空(写真)にも混乱が広がった Maseem Mohammed Bny Huthil-REUTERS <事実上トランプがけしかけたアラブ主要国による対カタール断交宣言。中東はさらに不安定になる?> オイルマネーで潤うアラブ諸国の間で、なぜ突然仲たがいが起きたのか――。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)が先週、小国カタールとの断交を発表したとき、中東ウオッチャー以外の多くの人は、そんな疑問を抱いたに違いない。 何しろカタールと外交関係を断つだけでなく、貿易もしないし、自国民の渡航も認めない、飛行機の往来も許さない、という厳格さだ。 カタールは天然ガスの埋蔵量が世界第3位の立憲君主国。22年のサッカーW杯の開催地でもある。中東と中央アジアの一部を統括する米中央軍の基地があり、アメリカにとっては中東最大の軍事拠点だ。 サウジアラビアやUAEと同じように、カタール