トマス・アクィナス――理性と神秘 (岩波新書) 作者: 山本芳久 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/12/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 大変勉強になりまくる本であった。13世紀を代表する西洋知識人であろうトマス・アクィナスに関する新書。彼が主題となる新書は本邦初であるらしい。とにかく「トマスのテクストは魅力的なんですよ」、「トマスはすごく面白いんですよ」と伝えたい著者の気持ちが文章から伝わってきて、その勢いにつられて、グイグイと感動的に読めてしまう。常軌を逸した多作家であるトマスを愉しんで読む方法を逐一提示してくれている。 執筆スタンスも良い。トマスが扱うテーマは現代人にとって馴染みがないものがほとんどであるし、聞いたことがない概念も頻出する。そもそも、トマスの著述スタイルそのものが研究者以外にはよくわからないものであろう。それを変に易しく
「稲垣:私は『神学大全』を訳していた頃は毎日大体二百字詰めで五枚か、多いときで十枚くらい書いていたんです。朝起きて、朝食前に一時間半かそこら翻訳をやり、それで大学に行って雑用に引っ張り回されても、今日も日課のスンマ(『神学大全』)訳をすませたからいいや、と楽な気分になることができ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く