カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案は、10日の参院内閣委員会で実質審議入りした。野党は海外カジノの「失敗例」を挙げて疑問を示すが、政府は「日本型IRは対策が十分だ」と繰り返す展開となっている。議論の前提の経済効果など具体的な試算は示されず、平行線が続く。 10日の質疑で礒崎哲史氏(国民民主)は「米国のアトランティックシティーのようになる危険性があるのではないか」と指摘した。 1978年にカジノがオープンしたアトランティックシティーは、当時は米国東部唯一のカジノで、西部のラスベガスと並ぶカジノリゾートだった。しかし近年は近隣州にもカジノができて競争が激化。トランプ大統領がかつて経営した「トランプ・タージマハル・カジノリゾート」の事業会社が2014年に倒産するなど、衰退が指摘される。