担当編集者より かつて作家・中上健次は自らの出身地である被差別部落を「路地」と呼んだ——。13年間にわたり、日本全国の500以上の「路地」を訪ね歩いた著者が、スケッチのように記録しつづけた被差別部落の現在を1冊にまとめたのが本書です。自分のルーツである大阪の食肉の町、更池を皮切りに、北は北海道・函館から南は沖縄まで、路地ならではの仕事を続ける職人たちを訪ねたり、歴史書に残る「路地」の痕跡をたどる旅など、一種ロードムービーのようなルポルタージュです。著者はまだ30代後半。『被差別の食卓』『コリアン部落』に続く、3作目となります。(YF)