今回は、2014年公開の韓国映画「怪しい彼女」と、それを中国、ベトナム、そして日本でリメイクした4本の映画を通して、アジア各地の食のシーンを比較してみようと思う。 4作品に共通する概要は、女手一つで一人息子を育てたおばあちゃんが、不思議な写真館で20歳の娘に若返り、得意の歌でバンドのボーカルとしてもう一度青春を取り戻そうとする姿を、音楽プロデューサーとの恋を交えてコメディタッチで描いたものである。 片想いの果物と嫁姑バトルの味 韓国版「怪しい彼女」。オ・ドゥリ(シム・ウンギョン、右)は孫のバンドに誘われる まずはオリジナルの韓国版から。70歳のオ・マルスンおばあちゃん(ナ・ムニ)の近所には、彼女の実家の元奉公人、パクさん(パク・イナン)が住んでいる。彼はずっと彼女に憧れを抱いてきたのだが、彼女は他の男と結婚し、夫が出稼ぎ先のドイツで死んでからは息子を育てることに必死で、パクさんを顧みる余裕