塩野義製薬が開発した飲み薬「ゾコーバ」について、後藤茂之厚生労働相は22日の閣議後記者会見で、100万人分の購入契約を19日に締結していたことを明らかにした。今後の薬事承認を前提にした契約で、後藤氏は「本剤が実用化されれば、治療の選択肢がさらに広がると考えている」と話した。実際の購入は承認後になる…
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塩野義製薬が開発した飲み薬「ゾコーバ」について、後藤茂之厚生労働相は22日の閣議後記者会見で、100万人分の購入契約を19日に締結していたことを明らかにした。今後の薬事承認を前提にした契約で、後藤氏は「本剤が実用化されれば、治療の選択肢がさらに広がると考えている」と話した。実際の購入は承認後になる…
「マイクロアグレッション」という新しい概念が注目されている。人種やジェンダー、性的指向などに関するマイノリティーに向けられる、一見あからさまな差別ではないように見えて、相手の尊厳を傷つけるような攻撃性が含まれている言動のことだ。マジョリティー側がこれに気づき、より公平な社会を作るためにはどうすれば良いのだろう。「立場の心理学」などの講義で人気の上智大教授(文化心理学)、出口真紀子さんと、「マジョリティーの特権」をキーワードに3回連載で考えてみたい。1回目は、マイクロアグレッションとは何か?【小国綾子/オピニオングループ】
政府は17日、大学などの研究者が国に研究費を申請する際、海外から資金支援を受けていないかや、海外の研究機関で役職についていないかなどの情報提供を求めることにし、指針を改定した。経済安全保障の強化の観点から技術流出を防ぐ狙いといい、来年4月から適用する。虚偽申告をした場合、採択された研究費の取り消しや減額、5年間の応募制限のほか、不正事案として公表される。 改定した指針では、国の研究費を申請する研究者に対し、国内外でほかに研究費を受けていないか、応募していないか、すべての報告を求める。寄付や設備などの支援を受けている場合は、所属機関への報告を誓約させるほか、所属するすべての機関と役職も報告させる。兼業や、外国の人材登用プログラムへの参加、雇用契約がない名誉教授なども含むとした。 小林鷹之・科学技術担当相はこの日の閣議後会見で「研究の国際化、オープン化に伴う新たなリスクへの懸念が顕在化しており
スアム生命工学研究院で生まれるクローン犬【注意:手術シーンが含まれています】 王女の愛犬が複製された 「今から生まれるのは、ある国の王女の犬のクローンです」。韓国・ソウル市南西部にあるスアム生命工学研究院。手術服に身を包んだ代表の黄禹錫(ファン・ウソク)(65)が、台の上に仰向けに寝かされた母犬を前にそう説明した。手術室の外では、米国やタイから来たという見学者十数人がガラス越しに様子を眺めている。 クローン犬の細胞の着床手術に臨む黄禹錫=ソウル、伊藤進之介撮影 帝王切開の要領で手術を始めて約4分。代理母である母犬の子宮から手のひらに乗るほど小さい黒い子犬2匹が取り上げられた。2人の助手が保育器の中で体をさすると、子犬たちは元気な声で鳴き始めた。助手たちは依頼主の王女に送るため、その姿をスマートフォンで写真と動画に収めた。 研究院では2006年からクローン技術で犬を複製している。2008年に
研究者が研究技術を販売するビジネス「研究スキル売買」が広がっている。インターネット上のスキルマーケットなどで依頼を募り、学術論文の執筆支援などの見返りに料金を得る仕組みで、国内最大級のサイトでは現役の大学教授などを名乗る約120人がスキルを販売していたことが確認できた。匿名同士での売買が主流で、専門家は「研究能力の偽装につながる」と危険性を指摘しているが、学界のルール整備は進んでいない。 ネットを通じて個人の遊休資産を活用するサービスは「シェアリングエコノミー」と呼ばれ、2010年代から急速に普及した。スキルマーケットはこの一種で、イラストやホームページの作成、趣味のアドバイスなど多種多様なスキルが販売されている。 学術研究では、英語で書いた論文の校正などの有料サービスは以前からあった。だが、スキルマーケットでは不特定多数の個人が身元を明かさず仲介業者を通じて取引するため、匿名の研究者が他
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青山学院大の相模原キャンパス(相模原市中央区)で、在籍していた研究室の学生や大学院生からいじめを受けて退学を余儀なくされたとして、神奈川県内在住の男性が昨年2月、大学や担当教授、いじめに加担した当時の大学院生に対し、慰謝料など計約1650万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことが22日、分かった。男性は「当時は怖くて何も言えなかった。見て見ぬふりをした教授や大学にも責任がある」と訴えている。 【写真】元大学院生の男性は、1年間にわたった壮絶ないじめの実態を訴えた 訴状などによると、男性は2013年4月、同大理工学部に入学し、17年4月に同大大学院へ進学。大学4年時の16年4月から研究室に籍を置いたが、その直後からいじめが始まった。 同じ研究室の大学院生らから十数回にわたり無理やり全裸にさせられ、そのままソファに押さえつけられたりしたほか、上半身裸で目隠しをされてキャンパス内の立像に
海洋生物・ウミウシの一種が、心臓など体の大部分を自ら切断(自切)した後、残った頭部から体全体を再生できることを奈良女子大の研究グループが発見した。失った体の大部分を再生できる例として水生生物のプラナリアやゴカイなどが知られるが、グループは「複雑な身体構造を持つ生物で確認されたのは初めてとみられる」としている。9日付の米科学誌カレント・バイオロジー(電子版)に掲載された。 ウミウシの一種「囊舌類(のうぜつるい)」のうち、食べた海藻から取り込んだ葉緑体で光合成できる「コノハミドリガイ」と「クロミドリガイ」、計15体で確認した。飼育していたウミウシが自切して頭部と体に分離したため、観察を続けたところ、全体の2割以下の重量に過ぎない頭部から1週間以内に体の再生が始まり、3週間後にほぼ完全な状態となった。切り離した体部分は頭部を再生することはできなかったが、それでも最長で…
科学技術が経済や安全保障を左右するいま、日本の研究力低下が止まらない。米欧の後追いを脱却しようと、国は1996年度に科学技術基本計画を打ち出し、90年代後半には米国などに次ぐ地位を誇った。その後も世界のけん引役を担うはずだったが、日本の研究力は中国などの後じんを拝し、今では世界9位に沈んだ。日本はどこでつまずいたのか。落日の四半世紀を検証する。【次回記事】大学の研究力低迷、「選択と集中」奏功せず 広がる格差「科学研究から経済成長に必要なイノベーションを搾り取ろうとしたが、明確な成功はなかった」。英科学誌ネイチャーは8日付の論説で、約7年半にわたる安倍政権の科学政策を総括した。安倍晋三前首相は「世界で最もイノベーションに適した国を造る」として、出口を重視するトップダウンの大型プロジェクトを相次いで立ち上げた。首相がトップの科技政策の司令塔を「総合科学技術・イノベーション会議」に改称するなど、
ADHDの眠気、遺伝子が影響か 浜松医大グループ研究 浜松医科大子どものこころの発達研究センター(浜松市東区)の高橋長秀客員准教授や土屋賢治特任教授らの研究グループが19日までに、ナルコレプシーと呼ばれる睡眠障害と発達障害の一つである注意欠如多動症(ADHD)の特性が遺伝的に関連していることを明らかにした。ADHDを有する人が日中に感じることの多い眠気は、体質として遺伝子の影響である可能性が高いことが示された。研究結果は米国の精神医学誌で発表した。 高橋長秀客員准教授 研究は、同センターが出生から追跡研究をしている8~9歳の726人を対象に約650万カ所の遺伝子変化を解析し、睡眠障害と関連する遺伝子変化の度合いを表す「ポリジェニックリスクスコア」を計算した。同スコアが高いと、多動性・衝動性症状や不注意症状を測定する尺度の点数も高くなる傾向が示された。神経伝達物質「ドーパミン」に関与する遺伝
CSIS報告書の中で、細谷雄一教授が「(中国が)沖縄の新聞に資金提供し影響を及ぼしている」とコメントした部分の抜粋
想像してみてほしい。あなたにある日、大手新聞社のベテラン記者から取材依頼のメールが届いた。だが、業務に関係する話題を興味本位に取り上げられたくなかったあなたは断りのメールを返信する。 ……ところが数日後、新宗教団体○教の機関紙のウェブサイトに、あなたの名前や経歴を詳しく記した記事が、あなたと「接触した」と称するその記者のコラムとして掲載された。○教は教義に政治主張が組み込まれたアクの強い団体であり、その日から上司や同僚・近隣住民があなたを見る目が妙に冷たくなった。 削除を求めたが、その後も記事はネットを漂い続けた。結果、あなたは○教と対立する危険な政治団体▲■党の党員から「○教の回し者」だとみなされ、外出するたびに謎の人物に尾行されたり、職場に中傷ビラを送りつけられたり、電話を露骨に盗聴されたりするようになった。 そこで辛抱たまらず「私は○×教とは無関係だ」と実名でSNSに書き込んだところ
鳥羽水族館(三重県鳥羽市)が飼育するダイオウグソクムシの排便が、2年ぶりに確認された。同館は、食性など未知の部分が多い生態解明の手がかりとして役立てたい考えだ。 【写真】【写真】えさを食べるダイオウグソクムシ(2017年4月、鳥羽水族館提供) ダイオウグソクムシはダンゴムシの仲間としては世界最大で、鳥羽水族館では2007年9月から飼育。現在、13年7月以降に仲間入りした5匹がいる。 同館によると、今回の排便は5月12日に確認した。便に含まれていた魚のうろこは、水族館がえさとして与えていたものではなく、入館前に食べたとみられるという。担当学芸員の森滝丈也さん(50)は「どの個体が排便したのかは分からないが、そもそも代謝が遅い生き物なので食べるペースも排便のペースも遅い」と話す。
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極度の倦怠(けんたい)感や痛みが続く疾患「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」を診断する際に、バイオマーカー(指標)となり得るタンパク質などを、理化学研究所(神戸市中央区)と三重大学などの研究グループが発見した。現在は明確な指標がなく、「なまけ病」などと言われ理解されないことも多い患者にとって今後、容易な診断や適切な治療につながることが期待される。(霍見真一郎) 【グラフ】細胞外小胞数の平均値 理研によると、同疾患の患者は世界で1700万人以上、国内に30万~40万人いるとみられるが、確立された治療法はない。保険診療で認められている検査では異常が見つからず、精神科を受診しても病名が付かない場合が多い。 臨床では、強い倦怠感や睡眠障害が続くことなどが診断基準となっている。これまで「自律神経異常」を診断の指標にしようとする取り組みもあったが、不眠症や更年期障害でも同様の異常が確認さ
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