タグ

ブックマーク / sskdlawyer.hatenablog.com (5)

  • 解雇後に作成された報告書、送信されたメールによるハラスメント(解雇理由)の立証が否定された例 - 弁護士 師子角允彬のブログ

    1.解雇後に作成される陳述書、報告書等 訴訟で解雇の効力を争っていると、使用者側から、原告労働者の勤務態度に問題があったことの証拠として、在職中の同僚労働者の供述をまとめた書面が提出されることがあります。書面は、報告書、陳述書、メールなど、色々な形がとられます。 こういった書証は、解雇前に作成されたものであれば、解雇の意思決定の基礎にされたものとして、一定の意味を持ちます。 しかし、紛争が勃発した後で作成されたものであれば、それほど強い証拠力(証拠としての価値)が認められるわけではありません。 近時公刊された判例集にも、解雇後に作成、送信されていることを理由に、報告書、メールにより解雇の有効性を基礎付けることを否定した裁判例が掲載されていました。昨日もご紹介させて頂いた、東京地判令3.6.23労働判例ジャーナル117-52 ディーエイチシー事件です。 2.ディーエイチシー事件 件で被告に

    解雇後に作成された報告書、送信されたメールによるハラスメント(解雇理由)の立証が否定された例 - 弁護士 師子角允彬のブログ
  • 負傷から2年以上経過して発症した精神障害に業務起因性が認められた例 - 弁護士 師子角允彬のブログ

    1.精神障害の労災認定 精神障害の労災認定について、厚生労働省は、 平成23年12月26日 基発1226第1号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(最終改正:令和2年8月21日 基発0821第4号) という基準を設けています。 精神障害の労災補償について|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/000661301.pdf この基準は、 対象疾病を発病していること、 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること、 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと、 の三つの要件が満たされる場合、対象疾病を業務上の疾病として取り扱うとしています。 この二つ目の要件については、例外がないわけではありません。 「業務上の傷病により6か月を超えて療養中の者が、その傷病によって生じた強い苦痛や社

    負傷から2年以上経過して発症した精神障害に業務起因性が認められた例 - 弁護士 師子角允彬のブログ
  • 顧客奪取を防ぐための使用者側の過剰反応が藪蛇となった例 - 弁護士 師子角允彬のブログ

    1.使用者側による必要以上に厳しい対応 労働者の方から法律相談を受けていると、使用者側が労働者側に対して必要以上に厳しい対応をとっている場面を目にすることがあります。 しかし、自社の従業員を殊更に貶めることは、往々にして良い結果には繋がっていないように思われます。近時公刊された判例集に掲載されていた、東京地判令3.3.30労働判例ジャーナル114-48 ユフ精器事件も、そうした事例の一つです。 2.ユフ精器事件 件で被告になったのは、心臓、血管カテーテル関連、手術用器具、機械等の医療機器の輸入、製造、販売等を業とする株式会社です。 原告になったのは、被告の元従業員の方です。在職中は事業部門の課長の地位にありました。退職して同業他社に移籍した後、被告に対して、退職金規程に基づく退職金の支払を請求したのが件です。 これに対し、被告は、原告が取引先奪取行為に及んだことなどが退職金の不支給事由

    顧客奪取を防ぐための使用者側の過剰反応が藪蛇となった例 - 弁護士 師子角允彬のブログ
  • 「明日から来なくていい」の法的な意味-曖昧な言葉を事後的に都合よく解釈する手法への警鐘 - 弁護士 師子角允彬のブログ

    1.「明日から来なくていい」とは、法的にはどういう意味だろうか 雇い主から「明日から来なくていい」と言われたと相談を受けることがあります。 これを解雇だと認識したうえで、解雇無効を主張すると、使用者側から、 「解雇ではない。退職勧奨だ。出勤していないことから合意退職が成立したと認識していた。」 という反論が寄せられることがあります。 解雇なのか合意退職なのかは、法的にはかなり重要な問題です。 解雇の場合、客観的に合理的な理由・社会通念上の相当性が認められなければ、その効力が認められることはありません(労働契約法16条)。 他方、合意退職の場合、錯誤、詐欺、強迫など、意思表示に何等かの問題が認められない限り、基的には有効な合意として取り扱われます。 そのため、使用者側としては基的には退職勧奨とそれに続く合意退職として理解したいのではないかと思います。 ただ、合意があると主張することが事実

    「明日から来なくていい」の法的な意味-曖昧な言葉を事後的に都合よく解釈する手法への警鐘 - 弁護士 師子角允彬のブログ
    pongeponge
    pongeponge 2019/08/15
    『出勤しなくなったのは人事部長からの指示であって、その後、働いていなくても賃金請求権は失わない』素晴らしい…
  • クレーム対応にあたり、非のない部下を謝らせて丸く収める手法の終焉 - 弁護士 師子角允彬のブログ

    1.クレームへの対応方法 顧客からのクレームに対し、顧客と従業員のどちらに非があるのかを見極めることなく、取り敢えず自社の従業員に謝らせるという方法があります。 それが揉め事を丸く収めていた時代もあったのだと思います。 しかし、こうした手法は、自社の従業員を苦しめ、不満を蓄積させてしまうため、労務管理の観点からみれば、決して適切とはいえません。 この取り敢えず部下を謝らせるというクレーム対応の手法の適否が争われた事件が、判例集に掲載されていました。 甲府地判平30.11.13労働判例1202-95甲府市・山梨県(市立小学校教諭)事件です。 2.事案の概要(犬に噛まれて飼い主に損害賠償の話をしたら、勤務先学校にクレームを入れられ、管理職から謝罪を強要された) 件で原告になったのは、甲府市の市立小学校の教諭の方です。 平成24年8月26日、地域防災訓練の会場に向かう途中、原告教諭は自身が担任

    クレーム対応にあたり、非のない部下を謝らせて丸く収める手法の終焉 - 弁護士 師子角允彬のブログ
  • 1