第18回:世紀の問題作!「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」を10倍味わうためのポイント10中身を伏せたままの宣伝展開で多用されたコピーは「衝撃」。蓋を開けてみれば、過激に「過去を葬り去る」映画だった。公開直後から賛否が激しく分かれ、世間を騒然とさせているエピソード8こと「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」。たった1本の映画に人々がこんなにも熱狂し、あるいは反発し、スター・ウォーズ(以下、SW)が持つ、娯楽を超えた力を再認識させている。僕は本作を大肯定し、称賛すべき要素が多いSW史上屈指の名編だと考える。ただし作劇的な瑕疵は少なくない。<レイ三部作>の第2部としては、主人公の扱いが希薄すぎる。観客の読みを裏切り続けるため、プロット運びはぎくしゃくしている。ルーカスが信奉した「神話の法則」に従う直線的な進行を避けたゆえ、当然の結果だろう。英雄となるはずの者の試練よりも、賢者のトラウマと葛藤に