自律神経の調節の乱れによって、思春期の子どもを中心に発症する「起立性調節障害(OD)」。頭痛やめまいがして、朝なかなか起きられず、遅刻や欠席を繰り返すことから、周囲に「怠けている」と誤解されやすい。西部総合病院(さいたま市)小児科の数間紀夫部長は「朝起きられないのは本人の気持ちの問題などではなく、『体の病気』が原因であることを理解する必要があります」と話す。 ▽不登校につながることも ODは小学校の高学年から中高生に多く見られる病気だ。この時期は心身ともに子どもから大人への急激な変化が起こるため、自律神経のバランスが崩れやすい。全身の血液の動きを調節する自律神経に問題が起きると、起立していることによって心臓より上部では血液が不足し、下部では血液がたまってしまい、さまざまな症状が出現する。数間部長は「ODになると、脳や心臓への血流が低下し、頭痛、めまい、立ちくらみ、動悸(どうき)、失神、頻脈