四畳半に囲まれた世界にいる「私」。タテにヨコに、または天井や床にと、延々と連なる部屋を突き進むがどこまで行っても四畳半のまま。それぞれの部屋では知らない人たちと自分が接している痕跡がある。この人たちはいったい誰なのか? 幾つもの部屋を進んだあげく、最初の部屋へと戻ってきてしまう。ここから出ることは出来ないのか? そんな時、部屋にいた一匹の蛾が、幾つもの部屋から集まり大群となって襲いかかってきた! 入学した時に数あるサークルから何も選ばなかった「私」。薔薇色のキャンパスライフは夢幻であり、四畳半の中に全てがあると信じていた。隅々にまで手が届き、己が支配出来る空間、それが四畳半。 そうして、「四畳半主義者」として大学生活を過ごしていくことに。そんな暮らしを2年間続けてきたある日、部屋から出ようとドアを開けると、そこには同じ様な部屋が存在する。窓を開けても同じ部屋。気がつくと四畳半から出られなく