正史三国志に出てくる各国の名士の書簡を見比べてみると、諸葛亮(しょかつりょう)の手紙は殴り書き同然のように見えてしまうほど短くて簡潔なものばかりでした。そこで思い浮かべたのが、第二次世界大戦の時にイギリスで挙国一致内閣を率いた政治家、ウィンストン・チャーチルです。 チャーチルはだらだらと長い文章が嫌いで、政府各局に「報告書は、要点をそれぞれ短い、歯切れのいいパラグラフにまとめて書け」「正式の報告書でなく見出しだけを並べたメモを用意し、必要に応じて口頭でおぎなったほうがいい場合が多い」などの指示を書いたメモを渡していました。諸葛亮もチャーチルもいろいろやって忙しい人だったので、長文の読み書きに時間を費やしていられなかったのでしょう。ということで本日は、諸葛亮とチャーチルって似ているかも、という話題です。 監修者 kawauso 編集長(石原 昌光) 「はじめての三国志」にライターとして参画後