内閣府原子力委員会が原発の使用済み核燃料の再処理政策を論議してきた原子力委・小委員会の報告案を作成するため4月24日、経済産業省・資源エネルギー庁、電気事業者ら推進側だけを集め「勉強会」と称する秘密会議を開いていたことが分かった。表紙に「取扱注意」と記載された報告案の原案が配られ、再処理に有利になるよう求める事業者側の意向に沿って、結論部分に当たる「総合評価」が書き換えられ、小委員会に提出された。政府がゼロベースの見直しを強調する裏で、政策がゆがめられている実態が浮かんだ。 小委員会は修正後の総合評価を踏襲して取りまとめ、23日、「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)に報告して事実上解散した。近く政府のエネルギー・環境会議に報告される。 毎日新聞はA4判79ページの資料を入手した。表紙右上に「4/24勉強会用【取扱注意】」、表題は「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会(第
自民党の「総合エネルギー政策特命委員会」は11日、党本部で過去のエネルギー政策を検証するための意見聴取を開始した。 初日は党のエネルギー政策を主導してきたとされる野田毅党税制調査会長、甘利明元経済産業相、細田博之元官房長官らが出席し、原発に批判的な議員と激しく応酬する場面もあった。 野田氏らは「資源小国の日本で、電力を確保し、コストを削減するには原発を進めるしかなかった」と述べるなど、原発推進という従来の政策への理解を求めた。これに対し、「核燃料サイクルが破綻しているのに、なぜ方向性を変えなかったのか」(柴山昌彦衆院議員)、「100%の安全はないのに神話を作ってきた」(石井みどり参院議員)などの批判が相次いだ。 細田氏は「甘かったこともたくさんあるが、反省しても仕方ない。今の政権にも追及すべきことばかりある」と反論したが、河野太郎衆院議員は「まず自民党がやってきたことを明らかにするのが先決
安倍首相は30日のTBSの番組で、今後の原子力発電所建設について、「(東京電力)福島第一原発の事故原因等々を冷静に見極める」とした上で、「新たに作っていく原発は、40年前の古いもの、福島第一原発とは全然、違う(ものにする)。国民的な理解を得ながら新規に作っていくことになるだろう」と述べた。 条件付きながら、新規建設への意欲を初めて示したものだ。 首相は同じ東北の原発であっても東日本大震災の被害の程度に差が出た点を調べる考えも示し、「福島第一原発は津波を受けて電源を確保できなかったが、福島第二原発は対応した。(宮城県の東北電力)女川原発もそうだ」と指摘した。 自民党の衆院選政権公約は今後の原発政策については「10年以内に、将来にわたって持続可能な電源構成のベストミックスを確立する」との表現にとどまっていた。ただ、首相は就任前、新設を認めないとした民主党政権の方針について「もう一度見直していき
首相は、2030年代に原子力発電所の稼働ゼロを目指すとした野田前政権の「革新的エネルギー・環境戦略」について、「具体的な根拠を伴わない。ゼロベースで見直し、責任あるエネルギー政策を構築する」と述べ、全面的に見直す考えを表明した。「原発依存度を低減させていく」としながら、「いかなる事態でも国民生活や経済活動に支障がないようエネルギー需給の安定に万全を期す」とも強調した。 持論の憲法改正については、「まずは多くの党派が主張している96条の改正に取り組む」と述べ、衆参両院の各議員の3分の2以上の賛成が必要と定めた96条の改正発議要件の緩和を優先して目指す方針を示した。96条改正の必要性は、日本維新の会とみんなの党も主張しており、特に両党を念頭に協力を呼びかけたものといえる。
経済産業省はエネルギー基本計画をまとめる有識者会議を一新し、民主党政権時代に「脱原発」を主張してきた有識者らを入れかえる。民主党政権は「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」という方針を基本計画に盛り込もうとしていたが、安倍政権はこれを白紙に戻す。 東京電力福島第一原発事故を受け、民主党政権は総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)に「基本問題委員会」をつくり、新しい基本計画づくりを進めてきた。委員25人のうち約3分の1は脱原発派が占めていた。 しかし、安倍政権になってから茂木敏充経産相が別の有識者会議をつくる考えを示し、自民党政権時代に基本計画をまとめた「総合部会」を復活させることにした。委員は15人にしぼる方針で、近く委員名簿を発表し、3月にも話し合いを始める。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方)無料登録で気軽に
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